私の好きなアイス

今週のお題「私の好きなアイス」

 

抹茶のスイーツが好きだ。

祖母が自宅で茶道の教室をしていて、訪ねていくと抹茶を点ててくれる。そのたびに、こんなに苦いものをスイーツにしようと最初に考えたのは天才以外の何物でもないと思う。口には出さないけど。

 

今やかき氷からティラミスまであらゆるスイーツに抹茶テイストがあるけれど、ハーゲンダッツの抹茶が一番好きだ。ある日、スーパーでレジ待ちをしているとき、アイスクリーム売り場がふと目に入った。とっさに蓋が緑色のハーゲンダッツのミニカップを掴んで会計を終えた。家に帰ってさあ食べようという段になって、それは抹茶ではなく、ホワイトミント&ショコラであって、パッケージの緑色は抹茶ではなくミントであることに気が付いた。コンタクトレンズを付けずにスーパーマーケットに買い物に行った自分を呪いつつホワイトミント&ショコラを食べた。

“ヨーゼフ・メンゲレの逃亡”とワクチン

精神的に落ち込んだとき、奇妙に惹きつけられるものがある。ノンフィクションやドキュメンタリーである。それも成功した起業家やアスリート、芸術家のそれではなく、非人間的な独裁者や異常な犯罪者、過去の悲惨な事故を扱った類だ。なぜ?と思われるかもしれない。暗い気分に更に拍車をかける、自傷めいた、まだ癒えきらない傷口を爪で弄るような悪趣味な喜びだろうか?

 

人の心裡には邪悪が潜伏感染している。結核菌が肉芽腫に、ヘルペスウイルスが神経節に、強大な免疫力によって閉じ込められているように、精神的に安定しているとき、邪悪は理性によって抑え込まれ、意識の表面に上ってくることはない。メンタルのバランスが崩れ、理性の支配が緩んだときに邪悪は人の行動を支配するようになる。加齢やある種の免疫抑制治療が結核菌やウイルスを制御不能の顕性感染にするように。

 

おぞましいノンフィクションは、疑似体験によって邪悪への新鮮な嫌悪感を呼び起こし、邪悪の囁きに耳を貸そうとする弱った心の免疫を増強するワクチンの作用があるのではないか。このアナロジーが妥当なものならば、不活化された病原体やその断片をワクチンとして使うように(当然の話であるが、病原体そのものを投与することは“感染”を引き起こし本末転倒である)、“不活化”された邪悪が必要である。

 

同時代的な事件や事故は、その“リアリティ”ゆえに強い邪悪への嫌悪感を呼び起こすだろうが、人生観や精神に対して不可逆的な傷を残しかねない諸刃の刃たりうる。古代の暴君の所業は遺跡や石像の世界に閉じ込められ、嫌悪感を引き起こすよりもむしろ神秘的な色彩を帯びる。“不活化”された邪悪とは、21世紀初頭の日本人の立場からみて、強い“リアリティ”を感じるほど身近なものであってはならず、あまりにも歴史的で檻の中の猛獣のように恐怖を抱かせないものであってもならないのだ。ゆえに“不活化”された邪悪は、モノクロ写真やコマ数の足りないサイレント映像の中に閉じ込められたものであるべきである。 

 

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ヨーゼフ・メンゲレナチス・ドイツ時代の悪名高い医師であり、アウシュヴィッツ強制収容所で常軌を逸した人体実験(もっとも有名なのが外科的手術による「結合双生児」。カルト映画「ムカデ人間」のヨーゼフ・ハイター博士のモデルがヨーゼフ・メンゲレである。)を繰り返した。戦後、ナチス・ドイツ政権下で人体実験や優生学による民族浄化を主導した第三帝国医学界の重鎮を裁いたニュルンベルク継続裁判「医者裁判」から逃げおおせ、南米に逃亡した。

 

ヨーゼフ・メンゲレの逃亡」は厳密にはノンフィクションではなく、ヨーゼフ・メンゲレの南米での潜伏生活を“ジャーナリスティック”な手法で描いた小説で、基本的にはメンゲレの一人称視点から展開される。親ナチスの独裁者ペロンが支配する戦後のアルゼンチンに、身分を偽って密航するところから始まり、現地のナチス・コネクションの中で頭角を現していくメンゲレ。アルゼンチンのドイツ人社会は、ナチス時代を忘れられず、戦後の西ドイツに反ユダヤ的な国家社会主義体制を再建することを夢想していたが、(メンゲレと同じくアルゼンチンに潜伏していた)アドルフ・アイヒマンイスラエル諜報機関に拉致され裁判にかけられると、「戦後民主主義体制」の強固さを知り、ナチス体制の復興が不可能な事実を突きつけられる。メンゲレもアイヒマン逮捕のニュースに恐慌を来たし、一旦はアルゼンチンで築いたビジネスを捨て、以降は南米各地を転々とすることになる。

 

オリヴィエ・ゲーズによって語られるメンゲレ像は、おぞましいまでに自意識が肥大し、他人が自らに奉仕して当然とみなすサイコパス、そして豪邸や高級車などの現世的な利益に人一倍執着する俗物だ。メンゲレは逃亡先で様々なナチスシンパやナチスの大物に金で雇われた現地人の助けで生き延びる(そして最終的には法の裁きを受けずに逃げ切るのだが)が、第三帝国の医学博士たるヨーゼフ・メンゲレに対して精神的・物質的にさらなる奉仕がなされて然るべきと、いつでも周りに対して不満でいっぱいだ。最後はブラジルのスラムに落ちぶれ、介護が必要な状態になり、献身的な介護人がいるにも関わらず周りの人間や社会からの扱いの“不当さ”に憤りを感じながら死ぬ。周りで世話を焼いてくれるシンパに対しても、さらなる奉仕と献身がないことに対して不満タラタラなのだから、もちろん犠牲になった被害者に対する贖罪の意識など微塵もない。あまりに自己中心的な姿に恐怖で背筋が寒くなる話だ。

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↑ヨーゼフメンゲレが死の直前まで住んだスラム街のバラック

 

 

伊東小涌園は朝食バイキングの海鮮丼が最高

ゴールデンウィークに友人ふたりと伊豆に行ってきました。旅行好きの友人に予約してもらった伊東小涌園という宿がとてもナイス(村西とおる風)でした。建物自体は新しくはないんですが綺麗に改装されていて古さを感じさせないし、部屋はベッド、もちろん温泉もナイスでした。

ここまでだとちょっといい感じの温泉旅館なんですが、伊東小涌園を真にナイス(しつこい)な宿たらしめているのは朝食バイキングです(断言。金目鯛の刺身とイクラを盛り放題の海鮮丼が朝から食べられるなんて最高か。食べるのに夢中で写真を撮りそびれてしまったのが惜しまれます。



  • 伊豆観光

大室山からの景色


大室山から見た伊豆高原、緑の中に別荘が点在していてビバリーヒルズっぽい(行ったことないけど)


たまたま友人の一人に地元在住の知人がいてその方に連れて行ってもらった壺中天の本と珈琲というカフェ


店内

寿司

ゴールデンウィークということで、電車で行って現地でレンタカーを借りましたが伊東周辺もばっちり渋滞してました。今度は渋滞のないときに行きたい。


iPhone、iPadからFire TV Stickを使ってミラーリングできる無料アプリ

amazonのFire TV Stickは配信動画を見る以外にYouTubeなどのネット動画をテレビの大画面で再生することができてとても便利なのですが、メジャーでない動画サイトにアップされている動画を大画面で見たいと思ってGoogle先生に聞いてみたところ、ミラーリングという方法を取る必要があるようです。

Android4.2以降のスマホタブレットなら特別なアプリなしにミラーリング可能なのですが、iPhoneiPadのユーザーはアプリを使う必要があるということで調べてみると、AirReceiver(2016/5/21現在305円)やMirroring360(2016/5/21現在828円)などの有料アプリがあって評判もよろしいようです。

無料のアプリはないものか、と検索しているとVideo & TV Cast for Fire TVという無料でiOS機器からミラーリングできるアプリを見つけました!


さっそく使ってみましたが、このアプリでブラウジングして動画を検索、再生して画面右上にあるミラーリングボタンをタップするだけという非常に簡単な操作方法が気に入りました。ミラーリング開始までの時間がちょっと長いこと以外は特に不満はないです。

もう一度観たい映画たち

ここ3年間で観た200本近くの映画の中から、もう一度観たいと思った作品をご紹介。

  • ファーゴ

アメリカの田舎町で狂言誘拐がどんどん血腥くなっていくコーエン兄弟監督のブラックコメディ。ヒロインのおばさん警察署長がクソ可愛い、萌え。

  • ワカラナイ

三陸沿岸で絶望的な青春を送る高校生の話で救いが無い。金が無くて葬儀代を出せない主人公が病気で死んだ母親の遺体をボートで海に流すシーンが凄惨。

シーモア・ホフマンがカポーティに似過ぎてる、常識的に考えて。

ニューヨークのブルジョア家庭の兄弟が離婚に翻弄される。ニューヨークのブルジョア家庭だと離婚も絵になるよね。

歯科助手の主人公が上司の女歯科医にセクハラされるシーンだけもう一度観たい作品。

同時多発テロで父親を亡くした少年が、死んだ父の遺品の中に偶然見つけたメモを巡って冒険する過程で回復していく。

トラボルタはダントツで世界一カッコいいケツ顎野郎だと思う。

言わずと知れたキューブリックの古典的名作。妄想に囚われたリッパー将軍が配下の核戦略爆撃機ソ連への全面核戦争を開始する。基地に立てこもったリッパー将軍を説得するために派遣されたイギリス空軍の将校に、水道水への塩素付加はアメリカ弱体化を狙ったコミンテルンの陰謀などガンギマリ妄想を開陳するリッパー将軍の姿はまさにMAD…田母神閣下も真っ青。

  • 鬼龍院花子の生涯

夏目雅子カッコいいよ。でも夏目雅子は鬼龍院花子役じゃないよ…。ヤクザ映画の名作。

  • アイスストーム

ニューヨーク郊外の美しい住宅街にあってなお長男とは難易度が高い人生である。あとニクソン大統領のラバーマスクを被ってセックスしようとするシーンがよいものだ。

今年見た中で間違いなく最高の映画。マイアミでレイヴパーティー三昧の田舎出身JD達が知らず知らずのうちにマジでヤバいギャングの世界に絡め捕られていく。

テストステロン全開のインベストメント・バンカー達が織りなす狂乱の放蕩生活。

イタリア映画の古典。旅芸人ザンパノが極貧の少女ジェルソミーナとドサ回りするお話。イタリア語の歌うようなセリフ回しが耳に残る。

  • その男ゾルバ

父から遺産として受け継いだギリシャの小島に渡った草食系イギリス人が、港で出会った高田純次みたいなテキトーなおっさんから人生を教わる話。

  • そして父になる

リリー・フランキーの喋り方って鎮静効果があると思う。

ロードムービーの傑作、観終わってアメリカに行きたくなる。30年近く前の映画と思えない程美しい映像は必見。育ての親よりも生みの親なんですかねぇ…「そして父になる」もそうだけど。

エイズになったカウボーイが個人輸入した未承認薬で奇跡的に回復し、周りの患者たちにも薬を売りまくる話。マッチョイズムの権化みたいだった彼が、「ダラスバイヤーズクラブ」を立ち上げてゲイのビジネスパートナーと交流する過程で徐々に変わっていく。

IELTSを受験した話

-はじめに
IELTSのスコアが必要だったので受験してきました。TOEFLに比べてスコアがとりやすいと言われている様ですが、ライティングはかなり渋めの採点でした。

3回受験して結果は

1回目 Listening 7.5 Reading 9.0 Writing 6.0 Speaking 6.5 Overall 7.5
2回目 Listening 9.0 Reading 9.0 Writing 6.5 Speaking 6.0 Overall 7.5

で3回目の結果待ちです。

ライティングは7.0を目指していたので力及ばすでしたが、スピーキングで6.5を取れたのは次回への励みになりそうです。

-勉強法
まず公式の模試セットを買ってきて解きました。やはり実力を把握する上でまずはやってみるのがおススメです。このシリーズは9冊出ていて1冊あたり4セットの模試が収録されているので、飽きるまで模擬テストを自宅で受けられます。

次にライティングですが、「IELTS Advantage IELTS Advantage: Writing Skill」というテキストで対策しました。IELTSの出題パターンに則って手とり足とり教えてくれるので自宅学習に最適です。ダラダラやったので1カ月くらいかかってしまいましたが、普通にすれば1週間強で終えられると思います。実はこのテキストを購入する前に、ネットでやたらと評判の良かった「Target Band 7」というテキストに手を出してみたのですが、自分には合わなかったので速攻で見切って以降手を付けていません(ライティングに関しては内容が薄すぎるような気がします)。

また、ライティングとスピーキング対策の一環として「Cambridge Vocabulary for IELTS Advanced」という教科書でボキャビルしました。例文をひたすら暗記するのが良い使い方だと思います。

-総括的な
やはりスピーキングとライティングで7.0の壁は厚いと思いました。次頑張ろう…。

テストの内容とは全然関係ないのですが、受験会場について。
1回目と2回目は東京、3回目は横浜で受験したのですが、受験生の数が全然違って驚きました(東京会場の方が圧倒的に多かった)。IELTSは受験前にパスポートチェック、指紋登録そして写真撮影を強制的にさせられるんですが(留置所か!)、東京会場では渋滞が発生して20分くらい列に並ばされてしまいました。横浜ではそんなことはなかったので、ただでさえ試験前で緊張しているのにさらに余計なことで疲れたくない人は東京は避けるのが吉ですよ。

カポーティの"In cold blood(冷血)"を読んだ

 「ティファニーで朝食を」で有名なトルーマン・カポーティのノンフィクションノベル。映画「カポーティ」を観たあと原書を衝動買いしたんですが、「ティファニーで朝食を」に挫折して以来勝手にカポーティの文体を苦手だと思い込んでいたので積読として放置しておりました。ところがある日パラパラめくってみると意外に読みやすく内容も超重厚でハマってしまいました。実際にカンザス州で発生した農場主一家惨殺事件に興味を持ったカポーティが綿密な取材を重ねて完成したのが本作で、その後のジャーナリズムの流れを変えたと言われています。

 クラッター氏はカンザス州の田舎町に暮らす富裕な農場主でアイゼンハワー大統領の農業委員会のメンバーも務めた程の名士だったが、1959年11月16日にクラッター氏をはじめ同居していた家族全員が変わり果てた姿で発見され、小さな田舎町は疑心暗鬼に満たされていく…まず疑われたのは殺害された三女ナンシーのボーイフレンドで、クラッター一家とは宗教が異なることを理由にクラッター氏に結婚を許可されないことが動機と考えられた。KBI(カンザス捜査局)のデューイー捜査官の必死の捜査にもかかわらず、事件は迷宮入りするかに思われたが、ウェルズという受刑者からもたらされた情報が糸口となって事件は急展開を見せる。

 ウェルズはかつてクラッター氏の農場で働いた経験があり、刑務所で同じ房に収監されていた男にその話をしたことがあったのだ。その男(ディック・ヒコック)はクラッター氏が書斎に金庫を置いているという話に興味を持ち、出所したらクラッター家に強盗をする計画を語っていた。ウェルズは冗談だと思っていたが、11月のある日にラジオのニュースでクラッター氏が惨殺されたことを知り、悩んだ挙句看守に話すことを決意する。

 事件発生から1カ月以上たった12月30日にディックと共犯者のペリーは逮捕される。ディックは普通の家庭に育ち、高校卒業後は大学進学の話を経済的事情から諦めてブルーカラーの仕事をしていた。一度の離婚歴があり子どももあった。

 一方のペリーはアイルランド人と先住民の間に生まれたが両親はすぐに離婚。父親に働かされて他の兄弟のように教育を受けられなかったことに不満を持っていた。母親はアルコール中毒死、兄は自殺しており、生きている父と姉には拒絶されていると思い込んでいた。非常に幼い性格で、歌手になったりメキシコで財宝探しをする事を本気で夢想していた。一方で突然キレて暴力的になることもある非常に不安定な性格であった。

 当初、大胆不敵で行動力があるディックが事件の主犯格とみなされ、優柔不断で幼いペリーは刑務所で知り合ったディックの計画に巻き込まれただけだと思われていたが、ディックの前でタフガイぶりたいペリーが衝動的にクラッター氏を殺害したことを皮きりに一家全員が惨殺されたという衝撃的な事実が明らかになる。

 長々と書きましたがかなり端折ってます。そのくらい圧倒的な量の事実描写があります。愛に飢え社会に対するフラストレーションを溜めこんだペリーにカポーティが自分を重ねていたことは明白で、映画「カポーティ」でもかなり強調されていました。

 個人的にとても興味を引かれたのが1950年代のアメリカの司法システムに関する描写です。ペリーの家族は誰も裁判の傍聴に来ないのですが、事件を知った軍隊時代の友人がわざわざ証人としてやって来てくれます。しかもこの友人が三人の子を持つハーバード卒のエンジニアだったため、家族さえも証言してくれないペリーにこんな立派な証人が現れると思っていなかった裁判関係者は驚きます。当時ペリーは裁判を受けるために町の保安官夫妻が住み込みで管理する拘置所に収監されていたのですが、家族に見放されたペリーを哀れに思った保安官夫人が、わざわざ証人としてやって来てくれたペリーの友人を料理でもてなす事を決めます。七面鳥、グレイビーソース、マッシュポテト、チェリータルト、アスピック(肉汁のゼリー)サラダというメニューをペリーとその友人に振る舞い、なんと二人は鉄格子越しに一緒に食事を共にするのです。こんなアットホームな司法制度があったんだ〜と仰天してしまいました。唯一の超大国として繁栄を謳歌する1950年代アメリカの余裕のなせる技なのか、はたまたキリスト教的隣人愛のなせる技なのか分かりませんがとにかく凄い、と思ってしまいました。

英語の勉強としてももちろん、内容的に素晴らしいので超おススメです。

原書

 
翻訳(2005年に新約が出たみたいです)