"ガールフレンドエクスペリエンス" コールガールというもの

 映画評論家、町山智浩氏の新刊「雑食映画ガイド」で紹介されていた高級コールガールの日常を淡々と描いた山場もオチもないドキュメンタリータッチの映画。

 コールガールというのは日本ではあまりなじみが無いスタイルですが、この映画を見る限りデートしてレストランで飯食ってからホテルで…という感じのサーヴィスを提供するようです。面白いのはクライアントがコールガールと継続的な関係を結ぶ所で、一種の疑似恋愛の要素もあるのかもしれんません。クライアントだけでなくコールガールの方も愚痴や悩みを相手に打ち明けたりするシーンがこの事を物語っています。

 特にストーリーが無いこの映画なんですが、おっと思ったのはコールガールが一種の奢侈品のように描かれていて、ある種の憧れを喚起する点です。日本の性風俗にそういう高級感は無いので凄く新鮮でした。コールガールとの「エクスペリエンス」がスイス製の腕時計やファーストクラスのフライト、レクサスの新型車みたいにプレゼンされていて、コールガールを買うことが一種のステータスであるかのような錯覚を覚えます。

 日本にも不倫文化があってテストステロン過剰の金持ちは愛人を囲って同じようなことをするから高級コールガールはあまり需要が無い気がしますが、日本にもこういう世界があるのか…?と考えずにはいられません。

 ちなみに主人公のコールガールを演じるのはポルノ女優なんですが、映画の中に直接的なシーンはほとんど無く(むしろ普通の恋愛ものの映画よりも少ないかも)肩透かしでした。