デビッド・フィンチャー監督のNetflixドラマ 「マインド・ハンター」

デビッド・フィンチャー監督の「マインド・ハンター」は、FBIの行動科学課所属の特別捜査官2人が主人公のドラマシリーズです。実在のFBI捜査官をモデルにしており、多くの実在するシリアルキラーが登場します。

1970年代、動機が不可解な殺人が増加する中、若手のFBI捜査官ホールデン・フォードは、プロファイリングと呼ばれる新しい捜査方法に興味を持ち、収監中のシリアルキラーと面談して彼らの心の内を探ることを思いつきます。

フォード捜査官の興味から始まったシリアルキラーの面談は、未解決事件の解決に役立つことが明らかになると、上司のビル・テンチ捜査官や、ウェンディー・カー博士も加わってFBIの正式なプロジェクトとして発展していきます。

プロファイリングのために、フォード捜査官は全米各地の刑務所で様々な”有名”シリアルキラーに面会するのですが、その中の一人にポール・ベイトソンという男がいます。彼はバーで知り合ったゲイ男性を殺害した罪で有罪判決を受けますが、そのほかに6人の男性を殺害してニューヨークのハドソン川に遺体を遺棄した疑いがあります。

ベイトソンニューヨーク大学医療センターの放射線技師で、アカデミー賞を受賞した映画「エクソシスト」に出演したことがあります。

悪魔に憑かれた少女が脳の疾患を疑われて病院で血管造影検査を受けるシーンで、放射線技師役でエキストラ出演しています。

 


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  • 52秒から登場する短髪・髭でケーシーを着用した男性がベイトソン

 


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  • 血管造影シーンのメイキング

このシーンは、エキストラ俳優でなく、本物の医師、放射線技師(ベイトソン)、看護師が演じているため、非常にリアルに仕上がっています。

約50年前の映画ですが、カテーテルを挿入する際には、今でもこのシーンのように消毒、局所麻酔、穿刺、カテーテルの挿入の順番で行います(造影CTやMRIが発達した現在、危険を伴う頸動脈直接穿刺による血管造影はしないですが)。

優秀で人当たりのいい大学病院の放射線技師が殺人者に変貌したのか、殺人者が良き社会人に擬態していたのかは本人にしか分からないですが、怪物とそれ以外の境界というのは我々が思っているよりも曖昧なものかもしれないですね・・・。

 


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「マインド・ハンター」は現在第2シーズンまで公開されていますが、第3シーズンは未定となっています。イカゲームの監督もファンを公言している*1本作ですが、是非第3シーズンを期待したいところです。