百田尚樹 ”永遠のゼロ”

 ひと月以上前にたまたま点けたテレビで百田尚樹氏の特集がやっていて興味を持ったので読んでみました。

 件の番組(情熱大陸)で協調されていたように、一つ一つのセンテンスが短く明解でとても読みやすい!というのが第一印象でした。主人公の戦闘機パイロットは中国前線に始まって、真珠湾ミッドウェー海戦ガダルカナル島マリアナ海戦、レイテ島、沖縄と転進していくんですが、まさに日本の太平洋戦史を網羅していて太平洋戦争の史実を勉強するとっかかりとしても最適だと思いました。こういうノンフィクション的な読み方もできる小説というのは勉強になるので好きです。

 惜しむべきは登場人物の描写が単純で、色々自分で解釈してみる余地が無いところでしょうか。二度三度読んでその度に違う感想を持つような作品だったらさらに良かったと思いますが、上述の「読みやすさ・明解さ」を優先すると難しいのでしょう。映画化もされるようだし読んでおいて損は無い作品だと思います。