スタンフォード大学の"History of the International System"という授業を「受講した」

東大がcourseraで授業を配信するとかで日本でも盛り上がりつつあるオンライン配信の大学講義ですが、アップルのiTunes Uで配信されてるHistory of the International Systemという授業を聞いてみた。 iTunes Uには誰でも知ってる世界中の有名大学の講義がた…

ミチオ・カク”2100年の科学ライフ”

未来は既に存在する ひも理論で有名な物理学者ミチオ・カクの一般向け科学書。タイトル通り2100年の世界で実現しているであろうテクノロジーを科学者の立場から予測している。単に科学技術のみならず、未来の社会・経済についての深い考察もしてある。例えば…

野中猛”心の病 回復への道”を読んだ

タイトルからは心の病を抱えた人たちのドキュメントを想像してしまいますが、実はそうではなく、精神医学全体を俯瞰するための雑多なエピソードの集合が本書です。トピックの範囲は精神医学の歴史から著者の臨床経験、世界・日本の精神医学の現状にまで及び…

トマス・ピンチョン"競売ナンバー49の叫び"を読んだ

ラジオDJの夫暮らしている主婦エディパ・マースが突然むかし付き合っていた大富豪ピアス・インヴェラリティの遺産執行人に指名され、遺産の調査を進めていくうちに「トライステロ」という謎の郵便組織の影がちらつき出す…というストーリーです。タイトルが独…

ゼロトレランス(震え声

突然幼稚園から出席停止になった五歳の冬、私の子ども時代が終わった日。バブル・ガンで遊んでいた私の口走った一言は、ゼロトレランスの魔法にかけられて「テロリスト的脅迫」になった。その瞬間から、連邦政府への復讐が私の人生の全てになった…。15年後−−…

"ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1"を読んだ

いわゆるTwitter小説で、相当話題になったので今更な感はありますが読みました。 妻子をニンジャに殺されたサラリーマン、フジキド・ケンジがナラク・ニンジャに憑依されてニンジャスレイヤーとなり復讐のために片っ端からニンジャを殺す話です。それ以上で…

今年買ってよかったもの、失敗したもの その3

買って失敗したもの3位 フードプロセッサー 使えないとかでは全くないですが、新しく購入したブラウンのハンドブレンダーにフードプロセッサーの機能もあったため無駄な二重投資となってしまった物件。もっと事前にリサーチしとくべきだった…2位 コーヒーメ…

今年買ってよかったもの、失敗したもの その2

ガンガン行きましょう。買ってよかったもの2位 ソファーとフロアライト 送料込みで2万円くらいのソファをネットで買いました。あとフランフランのオンラインショップで叩き売られてたフロアランプを6000円でゲットしました。暖色系の光に包まれてソファで観…

今年買ってよかったもの、失敗したもの その1

なぜか2012年は物欲が高まった年でして、色んなものを買ってしまったような気がします。今後のために2012年の消費を総括してみようと思います。買ってよかったもの3位 スチームクリーナー 今住んでいるアパートに入居して以来一度も窓を掃除してなくて窓が汚…

イラク戦争の映画"ハート・ロッカー"を観た

ちょっと後暗いけど戦争映画が好きである。しかも現代戦に題材をとった映画が特に。「地獄の黙示録」のデジタルリマスター版が公開された当時、高校生だった僕はひとりで新宿の小汚い映画館に出かけて行って、おっさんだらけの客席でキルゴア大佐のあの有名…

"The Year of Living Biblically" by A.J. Jacobs

一年間に渡って聖書の戒律に従って生活したニューヨーク在住のライター(A.J.ジェイコブス)のドキュメント。 サブタイトルにもあるように、ジェイコブスはできる限りたくさんの戒律に字義通り従う生活を送ります。聖書の戒律と言えばモーセの十戒が有名です…

"寄生虫のはなし"

僕が通っている医大の三年次には学生に恐れられている授業が二つある。一つは解剖学Ⅰ。ドSで学生想いの先生方が作成する学生の張ったヤマを完全に外したテストゆえ、テスト開始後すぐにため息が教室中から漏れたりする。そしてもう一つが寄生虫学である。 43…

"現代アートの舞台裏 5カ国6都市をめぐる7日間"

日本の庶民には全力で縁の無い世界の話。本当に面白い。 第一章は華やかなクリスティーズのオークションで幕が上がり、第二章では芸術家ワナビたちの鬱屈感が伝わってくるCalArts(カリフォルニア芸術大学)の伝説の授業が紹介され、その後日本を代表する現…

"放浪の天才数学者エルデシュ"

ポール・エルディシュ(1913-1996)はハンガリー出身の今世紀を代表する天才数学者で、数論や組み合わせ論などの分野で業績を残した。エルデシュは天才数学者という言葉から誰もが想像する通りの変人で、金銭や地位に興味を示さなかった。それどころか生涯で…

建築模型を作るための遠大な道のりを歩く

最終目標はかっちょいい城とか高層ビルを作ることなんですが、千里の道も一歩からということでまずは練習として、このサイトを参考にサイコロを作ってみた。 東急ハンズに行ってスチレンボード、スチのり、スプレーのりを購入。あとJW-CADというフリーソフト…

初島に行ってきた

8月17日、8月18日の一泊二日で熱海から船で30分くらいのところにある初島という島に行ってきました。 なぜか船にたくさんアホウドリが群がっていた。港に着くとさっそくバスでホテルへ向かうも、一週4km程度しかない小さな島なのであっという間にホテルに到…

"無慈悲な昼食" エベリオ・ロセーロ(Evelio Rosero)

英語のタイトルは"Good Offices"だそうです(日本語でググってもどこにも書いてなかった)。土曜23時からjwaveで放送されている「BOOK BAR」という番組で紹介されてたので読んでみました。「BOOK BAR」は面白くてちょっとマニアックな本を毎週紹介してる番組…

"The philosopher and the wolf" 狼に「幸せってなんだろう」と訊ねてみる

どんな本? 哲学者である筆者は新聞広告で見つけた狼の子を飼い始めます。Breninと名付けた狼との生活は色々なことを教えてくれます。大学に講義しに行くときも学生たちとラグビーを楽しむときも筆者とBreninはいつも一緒です。二人は本物の兄弟のような絆を…

 ベンヤミン”複製技術時代の芸術作品”

「写真などの複製技術の発展にともなって芸術作品のアウラ=オーラ(権威・僕らが芸術に抱く一種の共同幻想)は滅びて行く」というのがこの本の言わんとすることのようです。 写真以前にも模写や版画などの複製技術はありましたが、これらの技術は写真の持つ実…

ネットで楽しくプログラミングのお勉強

大学の授業でちょこっとjavascriptに触ったんですが、あまり深く理解できないままに終わってしまったのでネットでjavascriptの勉強してみました。codecademyというサイトでjavascriptが学べます。 だいたい上の写真を見てもらえれば感じがつかめると思います…

”利己的な遺伝子”その2

皆が利己的にふるまう殺伐とした社会以外の選択肢は無いのか? リチャード・ドーキンス博士によれば、人間が持つ「意識」は遺伝子からの解放・反逆を可能にする素晴らしいツールです。利己的にふるまうよう指示する遺伝子達の専制支配に反逆することができる…

”利己的な遺伝子”その1

前々から読んでみたかった本です。生命科学系の端くれとして読まなアカンと思ったので思い切って読みました。高校生物の遺伝やDNAの単元が分かっていれば読み進められる本だと思います。この本の中心テーマは、「生物とは利己的な遺伝子が自らの繁栄のために…

岡本太郎「日本の最深部へ」を読んだ

この本は1960年代に岡本太郎が日本各地を回って、かろうじて残っていた土着的な文化を記録したものです。岡本太郎はいわゆる絢爛で美術館的な日本文化を、大陸からの輸入品であって真の日本文化ではないと喝破します。その代わり、技術的には稚拙でも庶民の…

”我々はみな惨事に巻き込まれうる” イアン・マキューアン「土曜日」を読んで考えたこと

土曜日の早朝、不思議な高揚感とともに眼を覚ました脳神経外科医ヘンリー・ペロウンが窓の外に見たものは火を吹きながらロンドン上空を降下していく飛行機だった。ペロウンの脳裏にニューヨーク同時多発テロの光景が鮮明に蘇る。ここからペロウンの波乱に富…

ホイットニー・ヒューストンの死因はアルコールと処方箋薬(Xanax)の相互作用の可能性が高い

Scientific Americanのオンライン版の記事Deadly Duo: Mixing Alcohol and Prescription Drugs Can Result in Addiction or Accidental Deathによれば、ホイットニー・ヒューストンの死因はアルコールと処方箋薬(Xanax)の相互作用の可能性が高いそうです。…

無料で洋楽聴き放題のmusictonicがアツい

どこかのまとめサイトで紹介されていたmusictonicというウェブサービスが凄いです。 80年代から最新の曲までメジャーな洋楽の曲が聴き放題という超太っ腹なサイトです。一部の曲は権利関係がクリアできなかったせいか日本からは聞けませんが、ほとんどの曲を…

アメリカの大学にタダで入学しました

大学とは言ってもオンライン上の大学です。さらにいえばいくら勉強したところで学位はおろか単位ももらえません。どんな大学なのか以下に書き連ねて行こうと思います。 アドレスは http://www.saylor.org/ です。 創設者はMichael J. Saylor(46歳)氏でMicroS…

"Sociology: A very short introduction" by Steve Bruce を読みました

あけましておめでとうございます。2012年が皆様にとって良い年になりますように。 様々な学問を手短に紹介する"A very short introduction"というシリーズがあるんですが、今回は「社会学」を選びました。社会学は文系の学問の中では新しく、何を研究してい…

チャールズ・ブコウスキーの「勝手に生きろ!」読みました

今回のエントリにはかなりきわどい表現が含まれるので、そういうのが嫌いな方は読まない方がいいと思います。 「チナスキーさん、なぜ鉄道貨物の操車場を辞めたんですか?」 「ええっと、鉄道には何の未来も感じられなかったからです」 「組合は強いし、医療…

PCゲームと意思決定の科学

ちょっと面白いなと思う記事がScientific American のオンライン版に出ていたので紹介します。 そもそもScientific Americanとは何か? アメリカの一般向け科学雑誌で、文系の大卒の人でも理解できるように書かれています。アメリカでは理系の社会的地位が日…